후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆうれいとう
幽霊塔
黒岩 涙香
黒岩 涙香의 幽霊塔(ゆうれいとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 266,479자 · 532화면
余「では有体に云いますが、貴方に少し話が有るから、外の人に妨げられぬ様に此の室の戸を閉じなさい」余「鍵は何所にありますか」穴川「鍵は其の戸に附いた儘で有る筈です」成るほど錠前の穴へ填った儘である。余は全く此の家を立ち去る前に厳しく穴川に談判して置かねば成らぬと思う為、医学士の這入り得ぬ様、中から確かに錠を卸した。爾して室の中を見廻すと、穴川の枕許に、小卓の上へ、食物を盛った皿や飲物などが出て居る。多分は医学士が仕事を了った上で夜食する積りであろう。けれど遠慮する場合で無い。「穴川さん今日一日食干に遭った為、空腹で言葉の順序さえ間違い相です。先ず御馳走に與かりますよ、話は腹の出来た上に致しますから」と云い、卓子に就いて遠慮無く喫べ始めた。勿論粗末な品では有るが、此の様な旨い思いは、覚えてから仕た事がない。甚蔵は感心した様子で「アア好い度胸だ、立派な悪党に成れる」と独語の様に云うて居る。余「ナニ悪党などに成り度くは有りませんが、腹の空いた時に喫いたいのは度胸の有無に係わりませんのさ」
余が喫べて居る間に室の外では頻りに足音がする。