후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 恐怖王(きょうふおう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 66,038자 · 133화면
廊下に見知らぬ男が立っていた。
黒の背広に黒のネクタイ、大きな黒眼鏡をかけて、黒天鵞絨のソフト帽を冠っている。イヤに色の黒い小柄な男だ、帽子の下にフサフサと長髪が垂れ、鼻の下に濃い口髭がある。洋画家とでも云った風体。
「僕、大江ですが……」
蘭堂はこの男を全く見知らなかったので、変な顔をして答えた。
だが、読者諸君はご存じだ。この小柄な長髪の男こそ、ゴリラ男の首領、――恐らくは「恐怖王」その人なのだ。
このお話の初めの所で、ゴリラ男が運転手に化けて、布引照子の棺桶を盗んで来た時、例の空屋に待ち受けていて、死骸の顔に化粧をした不思議な人物、あの男だ。あの男が、大胆不敵にも大江蘭堂を訪ねて来たのだ。
「初めてお目にかかります。僕黒瀬というものです。少しお話したいことがありまして」
怪人物が、優しい作り声で名を名乗った。無論出鱈目に極っている。
「どういうご用でしょう」
蘭堂はうさんらしく相手を見上げ見おろしている。
「アノ、実は恐怖王の一件について……」
黒瀬と名乗る小男は、声を低くして、物々しく云った。
「恐怖王」と聞いては、逢わぬ訳には行かぬ。蘭堂は早速黒瀬を請じ入れた。