후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 恐怖王(きょうふおう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 66,038자 · 133화면
何事かとたまげて、躊躇している間に、先方の車は矢の様に走りだした。
「何でもいいから、今の車をおっかけるんだ。早く早く、何をぐずぐずしているか」
庄兵衛氏の気違いめいた命令に、運転手はやっと車の方向を転じて、走り出した。随分スピードのある車だったが、方向転換その他に手間どった。その上、相手の車が、なりは小さいけれど、滅茶苦茶な速力だ。
夜の大道を、四五丁も走る内に、どの横丁へそれたのか、忽ち相手の車を見失ってしまった。その辺をグルグル廻って見たけれど、どこにもそれらしい自動車は見当らぬ。
仕方がないので、庄兵衛氏は、捜索をあきらめ、再び自邸に向って車を走らせたが、考えて見ると、何とやら狐につままれた感じだ。
照子は数日前彼の目の前で息を引取り、ちゃんと葬式まですました。現に彼女の棺が火葬場の竈の中へ納められるのを目撃した。その死んだ照子が、今頃自動車に乗って、町を走っている筈はないのだ。
だが、さっきの娘は、確かに照子の顔を持っていた。あんなによく似た他人があろうとは思われぬ。のみならず、「お父さま」と呼びかけさえした。よその娘が、そんなことを云う訳はない。