후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 恐怖王(きょうふおう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 66,038자 · 133화면
云いながら、ゴリラはスーッと襖を開いた。
だが、襖の奥は文目も分かぬ暗闇だ。仮令そこに照子がいたとしても、見える訳がない。
「オヤ、真暗じゃないか」
布引氏は襖の間から顔をさし出して、暗闇の室内に瞳を定めた。
と、襖の蔭からニュッとばかり、何か白いものが飛び出して来て、鼻と口をふさいだ。
ハッとして身を引こうとすると、いつの間にか、うしろからゴリラ奴が鉄の様な両腕ではがい締めにして、小ゆるぎもさせぬ。
「ム、ム……」
とうめきながら首を振っている内に、目の痛い様な強烈な匂が、全身にしみ渡って行った。そして、布引氏は不甲斐なくも、いつしか意識を失ってしまった。襖の蔭から飛出した白いものは、云うまでもなく麻睡薬をしませた布で、そこにもう一人の悪党が潜んでいて、彼の不意をうった訳だ。
どの位の時間がたったのか、ふと夢から醒める様に目を開くと、布引氏は真暗な部屋に、転がされていた。
さては賊に一杯食わされたかと、ふところを探って見ると、案の定、紙幣を包んだ風呂敷包みがなくなっている。ピストルまで持去ったと見えて、その辺をなで廻しても、手に触れるものもない。