후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,841자 · 376화면
こんなふうに、つぶさに彼の心にはいって、彼を批評する者もあった。
いずれにしろ、近頃、世相のうえに、非常に濃くあらわれて来た現象は、
信長びいきと。
信長ぎらいと。
こう二者の分れ方であった。
叡山焼討ちという曠世の大猛断をやったことが、その是々非々、ふたつに分れて、暴風のような批判を天下にまき起した結果であることはいうまでもない。
「きらい」のほうでは依然、かれを悪魔視して、いよいよ反感をつのらせたが、「ひいき」側の一部では、はやくも、
「天下はやがてあのお方に」
と、予想するものもあらわれて来たりした。
いやたとえ信長を敵とするものでも、具眼の大将は、彼のやり口を見て、いよいよ恐るべきものと観て来たにちがいない。
信玄などは明らかに、
「一日おくれれば一年の難事となる」
と、上洛という多年の宿望に対して、いまは一日も急ぐ気もちになっていた。
ために、あらゆる外交策が内々、急がれていた。
北条家との修交は、それによって功を奏したが、上杉家とは、依然、交渉がはかばかしくない。
ぜひなく彼は、その年の十月を待って、甲府を発した。――甲越のさかいは早、雪にさまたげられて来るから、謙信へ対する憂いは、まず大丈夫と見てである。