후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,841자 · 376화면
その味方へは、昼のうち、城内から小旗をあげて、
(御救出のこと、成就せん)
と、あいずはしてあるが、それにしても、時間は経ちすぎる。
信長をはじめ諸将が、事の結果を、城外から知るよしもなく、さまざまに思いまどって、帷幕の異論や、行動に迷って、紛々たる声にとりまかれて困惑している主君の顔が――藤吉郎には、こうしている間も眼に見える気がするくらいだった。
「……いや、御無理もない。亥の刻まで、お待ち申そうほどに、ごゆるりと、お名残をつくされたがよい。それまでは、城内の御安穏は、藤吉郎がひきうけておりますれば」
彼の快い承諾になぐさめられて、藤掛三河守は、ふたたび奥へもどって行った。その頃もう宵の色は深かった。
小侍と茶道衆が、こもごも、彼のまえに来ては退って行った。戦場では見られない膳部や酒が饗された。
「お身方もせわしかろう。独りのほうが勝手でござれば、銚子、飯櫃なども、ここへおいてお退りください」
給仕の者を退けて、彼はひとりで酌みはじめた。薄口な塗りの杯から全身に、秋の沁み入る気がした。
「…………」
酔い得ない酒だった。寒々と、ほろ苦くばかりある。