일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면

아오조라 문고

その一瞬こそ、憎い敵と、歯がみはしたが、時経つと、甲軍の人々もみな、

「敵ながら出来した者」

と、心のうちで、彼の死を弔わない者はなかった。

これはずっと後のことで余談にわたるが、強右衛門の壮烈な最期を目撃していた落合左平治などは、その折の図を自分の旗差物に描かせて、子孫にまで伝えたということだった。

左平治の子孫は、後に紀州家に仕えて五千石の高禄をうけたといわれるが、鳥居強右衛門の子孫もまた、武州の忍侯に召し抱えられ、その裔は徳川時代を通じていまも誰かの血液にあるはずである。

敵味方を問わず、強右衛門の一死が、いかに大きな感動を与えたかということは、長篠の戦後、信長がうわさを伝え聞いて、

「わが朝にもめずらしい無双な士魂の持主だ。骨でもあれば拾い取って崇めたいが」

と、わずかに遺物をさがし求めて、作手の甘泉寺に手厚く葬ったのでも分るし、強右衛門の一言のために、大敗北を招いて潰走した甲州兵のうちでも、誰ひとり鳥居という名を悪しざまに罵る者がなかったのを見ても明らかであった。

それは、ともかくとして。

事ごとにこういう齟齬ばかり踏んだ甲軍は、もう後ろに迫っている徳川、織田の聯合軍に対して、一刻も晏如としてはいられない状態になっていた。