후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
世に銃火器に精通しい者、明智に次ぐは滝川なり、という定評のあった過去を今も忘れてはいない。かたがたその城庫には多量な矢石火薬の蓄蔵も必至と見られたので、
「まず、城下を焼け」
と命じ、目前に敵府へ迫りながら、敢えて急追の体を見せなかった。
令一下、寄手の軽兵は、町々へ放火しだした。
これには焼草と火薬をつかう。
敵国へ侵攻の際、これは多量に携行した。火攻は、戦略遂行の要法とされていたからである。
こんどの勢州入りでも、秀吉の軍は、沿道の民屋から、矢田の本陣附近の村落まで、余さず焼きたてて来たのである。
煙は忽ち城下を蔽う。
すぐそこに見えていた桑名の城すら見えなくなった。辻は火の跳舞と、家々の残骸と、煙る鉄甲の人影しかない。
奇兵を用うるに便となった。城兵は、炎煙に紛れて突出し、到る処で、寄手の軽兵のうしろへ廻り、箇々に包囲して、鏖殺にするの策に出た。また市倉や民家を楯として、鉄砲で狙撃する。これも寄手を悩ました。
「――母ちゃあん」
「婆ようっ。婆ようっ」
あわれ、これらの声は、甲冑の者から出る叫びではない。
包囲二日後にも、なお残っていた庶民がある。