후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
「そいつあ耳よりだな」寒笑はつるッと唇を舐めた、「で……男か、御婦人か」
「それは見てのおたのしみ、さあお供をしましょう」
「だが藤さん」家を出ると寒笑がふと足を止めてふりかえった、「こう、おいそれと行って、安くふまれやあしまいかね」
まじめである、藤吉は笑った。
「なあに向うからは二タ月もまえに頼まれているんでさ、いま原稿が急がしいからと云ってあたしがずっと延ばして来たんだもの、もうずいぶん箔は付いていますよ、それでもおまえさんがもし厭だと仰しゃるんなら」
「厭だとは云わないさ」寒笑は正直である、これだけはかれの取柄だった、「ただあたしとしては和田平の都合も考えなくちゃならないからね、つまらないこって本の売れ行きにかかわると和田平に義理が悪い、そのくらいのことはあたしだって考えているんだから」
「その心配にあ及びませんよ、なにしろあたしが御案内するんですからね」
そのくらいならもぐり同様の版元にかかわらないほうがもっと大切だろう。藤吉はそう云いたい気持をぐっと抑えつけて、そのまま矢の倉の「灘源」という料亭へ導いていった。
「和田屋の藤吉という者だが、お客様はいらしっているかい」