후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
東湖は膝へ拳を抉りつけるようにした。彼の語り振りは持論を述べるというより、座に直面して思想を創作するという風で、一語一語に生なまとした感覚が感じられる。秀之進は熱心に聞き続けた。
「徳川幕府の採った鎖国主義以前から、我われ国民の大多数には国家意識というものが明確でなかった、主従、家族という縦の関係は極めて固かったけれども、国家とか民族とかいう横の関係はばらばらだった、これをこのままにして開国する危険は二三にとどまらないが、最も忍ぶべからざる点は外人の軽侮を買うことだ、軽侮に次いでなにが来るかということは口にするまでもないだろう、従って開国が避くべからざる事実とすれば、我われのなにより先に解決しなければならぬ問題は国家と民族意識を確立することだ、横の関係に於て民族ぜんたいを繋ぎ、これにたしかな国家観念を与える、これが第一なんだ」
「一言にして云えば、攘夷論は毒を以て毒を制するということができますか」
「もっと卑近な例がある、泥棒がはいったとき金盥を叩いて火事だ火事だと騒ぐやつ、あれだよ」東湖はにやりともせずに云った、「事は目前に迫っている、閑寛と法を案じている暇はない、警鐘を鳴らし危険を叫んで耳目を一点に集める、これが攘夷論の真髄だよ、これでも君は人を欺くと云うかね」