후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
困難であり苦しい、そう云いながら彼は東湖の或る表情を思いだしていた。――あれも庶子だよ、こう云って小四郎を見やったときの、呵責される人のような表情を。……彼の印象では東湖は一種の詩人という感じであった。時勢を観る眼も、その認識も、政治の冷静な批判精神に立つというより、詩人的な直感と情熱に拠るというところがみえる。従ってその言動は青年たちに多くの共鳴と同感を与えるのだろうが、秀之進にはもの足らぬ気持が強かった。彼も東湖の言葉からは少なからず得るものを得ていながら、東湖の直感から生れる言葉の豊富さに反感をさえ覚えたのである。封建制の崩壊に就いて、攘夷論の効用に就いて、王政復古の真のありかたに就いて、……明快に、あまりに明快に割切っているところが、どうにもそのままでは首肯できない。――この人は信念と無関係なところで言葉を楽しんでいる。そんな気持さえしたくらいであった。然し、「あれも庶子だよ」と云った瞬間、秀之進は初めて東湖という人の本音を聞いたと思った。
人間的な苦悩を深く躰験しなくては、真実のいかなるものかを理解することはできない、秀之進はこう信じていた。