후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
「……はっ、それは……」
「まいれ、見せて遣わす」
そう云って立ってゆくので、宗兵衛もしかたなしにあとからついていった。……左近は別棟になっている講堂のような建物へ導いていった。御殿とは渡り廊下でつながっている。まわり廊下で、畳五十帖ほど敷ける広間の、一方に祭壇の設けてある部屋だ。そしてその祭壇には七字の名号を書いた軸が掛けてあった。
「ときどき信徒を集めては、ここで余が法華講釈をやる、いとまと場所の都合さえつけば、領内どこへでも出かけて講釈をする……だが宗兵衛」左近は眼を細めて見かえった、「余がどんな講釈をするかを、今こそそのほうに見せて遣わそう、頭が高いぞ」
頭が高いぞと云われて、宗兵衛は両手をおろしたが「なんの法華経が」と思うので面はさげなかった。左近は祭壇に近づき、三拝の礼をしたのち、しずかに七字の軸をとりはずした、その下には白無地の軸がある、それをさらにはずすと、いきなり宗兵衛の眼へ、今上天皇――という文字がとびこんで来た。宗兵衛はあっと叫び、五六尺とびしさって平伏した。左近も座をしりぞいて両手をおろし、水のように静かな声で云った。
「宗兵衛、拝んだか」