후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
「……それは、わたしから柿崎嬢にはなしてはみるが……」
「その必要はない、おれが自分で云うよ」
些かも躊躇のない、むしろ確信ありといいたげな言葉なので、大助はなにも云うことができず、ふたたび机に向って書き物をはじめる秀之進の高い額を、しばらくまじまじとみつめるばかりだった。
書庫へ籠って五日めに、頼該に呈出する覚書ができあがった。そこで大助から一応その旨を用人まで通じておき、夜になるのを待ってそっと亀阜荘へ伺候した。頼該は秀之進を書斎で引見した。むろん扈従の者は遠ざけた二人きりで、燭台の光りが、いかにも秋の静夜らしく、書院窓から忍び入る微風に、ときおりはたはたと揺れていた。
「よく戻ったな、健固でなによりだった」左近は五つ月ぶりで逢う秀之進の顔をしげしげとみまもりながら、「ゆるす、近う近う」と座をさして示した。
使命が不調に終ったことは、校川宗兵衛からもう言上してある筈だ。秀之進は自分の口からはなにも申述べるつもりはなく、「仔細は精しくこれに記してありますから」といって持って来た覚書をさしだした。
「あとでみよう」
左近は秀之進の気持を察したので、覚書を受け取ると、しいて不調の理由を問おうとはせず、旅中の話、会った人々の印象などをたずねる。