후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
「だがよくわたしが通るのをみつけたもんだな」
「だってもう来るじぶんだと思っていたからさ、それが三日待たされた、いい道草をくってしまったよ」
「御挨拶ですね」
「おれは相手に見知りはない、だがあんたは江戸屋敷の者と親しいから、ことによると知り合かも知れぬと思った、それで迷惑をたのんだのだが……しかし是れ是れだと云えば、必ずあんたの態度で向うに感づかれる、なにか連絡があるなと察せられぬものでもない、それでわざと名も云わなかったわけだ」
「つまり敵を計るに先ず味方を以てすというところか」
「それが当ったのは見るとおりだ、かれは裏を掻かれたと思った、どうやら府中藩士までつれだしたようすだが、おれは宿を出るとすぐさっきの路次ですっかり見ていた、あの男は泡をくって駆けていったっけ」
「追っていった騎馬は目付役の者たちだ」
「それはそれは」秀之進はそっと笑いだした、「暑いのにご苦労さまな、おれたちはおかげで涼しい旅ができる」
「あんまり涼しくもないぜ」
「いまにわかるよ」
小一里の道を南へくだると高浜の町へ出る、地理をよく調べておいたとみえ、そこから霞ヶ浦の船着き場へまっすぐにゆき、――玉造まで、といって舟を雇うと、二人は涼風のわたる湖上をいい気持にゆられていった。