일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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うえの

日和下駄 一名 東京散策記

永井 荷風

永井 荷風의 日和下駄 一名 東京散策記(うえの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,955자 · 70화면

아오조라 문고

況やわたくしは日本の東京に於て偶然露西亜語を以て唱われた歌曲を聴いたのである。九月一日初日の夜の演奏はたしか伊太利亜の人ウエルヂの作アイダ四幕であった。徐に序曲の演奏せられる中わたくしはやがて幕の明くのを見た。其の瞬間に経験した奇異なる心況は殆名状することの出来ないほど複雑なものであった。観客の言語服装と舞台の世界とは全然別種のもので、其間に何等の融和すべきものがない。これに加るに残暑の殊に烈しかった其年の気候はわたくしをして更に奇異なる感を増さしめる原因であった。オペラは欧洲の本土に在っては風雪最凛冽なる冬季にのみ興行せられるのが例である。それ故わたくしの西洋音楽を聴いて直に想い起すものは、深夜の燈火に照された雪中街衢の光景であった。

然るに当夜観客の邦人中には市中の旅館に宿泊して居る人ででもあるのか、平袖の貸浴衣に羽織も着ず裾をまくり上げて団扇で脛をあおいでいる者もあり、又西洋人の中には植民地に於てのみ見受けられる雑種児にして、其風采容貌の欧洲本土に在っては決して見られない者も多く来り集っていた。其夜演奏が畢って劇場を出ると、堀端からはハーモニカや流行唄が聞え、日比谷の四辻まで来ると公園の共同便所から発散する悪臭が人の鼻を衝く。