후리가나로 읽는 일본 고전
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にちりん
日輪・春は馬車に乗って 他八篇
横光 利一
横光 利一의 日輪・春は馬車に乗って 他八篇(にちりん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 86,787자 · 177화면
彼の恐怖を浮べた赧い横顔は、立ち昇る煙を見詰めながらだんだんと悦びの色に破れて来た。そのとき、入口の戸が押し開けられて、後に一人の若者を従えた王女卑弥呼が這入って来た。膳夫は振り向くと、火のついた鹿の骨を握ったまま真菰の上に跪拝いた。卑弥呼は後の若者を指差して膳夫にいった。
「彼は路に迷える旅の者。彼に爾は食を与えよ。彼のために爾は臥所を作れ。」
「酒は?」
「与えよ。」
「粟は?」
「与えよ。」
彼女は若者の方を振り向いて彼にいった。
「我は爾を残して行くであろう。爾は爾の欲する物を彼に命じよ。」
卑弥呼は臂に飾った釧の碧玉を松明に輝かせながら、再び戸の外へ出て行った。若者は真菰の下に突き立ったまま、その落ち窪んだ眼を光らせて卑弥呼の去った戸の外を見つめていた。
「旅の者よ。」と、膳夫の声が横でした。
若者は膳夫の顔へ眼を向けた。そうして、彼の指差している下を見た。そこには、海水を湛えたの中に海螺と山蛤が浸してあった。
「かの女は何者か。」
「この宮の姫、卑弥呼という。」
膳夫は彼の傍から隣室の方へ下がっていった。やがて、数種の行器が若者の前に運ばれた。その中には、野老と蘿蔔と朱実と粟とがはいっていた。