후리가나로 읽는 일본 고전
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 早稲田大学(わせだだいがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,204자 · 220화면
ゆっくりゆっくりと、押しだすように出てくる言葉が、此処まできて急に途切れた。一瞬間、老侯爵は心持ち首を右にかたむけ、二、三度同じような素振りで芝生をうずめる学生の列を見わたしたと思うと、急に、くるりとうしろを振りかえった。誰れの眼にも、彼のそうするのがいかにも自然であると思われるほど、落ちつきのある身のこなし方であった。
一座は、たちまち水を打ったようにしいんとなった。
「浮田博士はおらぬか、――吾輩の政治顧問である浮田博士は?」
その声には、彼が会衆を前に、身体を斜めにして叫んでいるにもかかわらず、彼の演説よりも大きく、つよいひびきがこもっていた。すると、華奢な身体つきをした、ほそおもてのフロックコートを着た初老の紳士が、演壇の左側に位置を占めている教授席の端しの方から及び腰になって小刻みに老侯爵の前にちかづいてきた。政治史を担当する浮田和民博士である。われ等の総長は、かすかな微笑をうかべ、前かがみになっている博士と何かひそひそと話し合っている様子であったが、おそらく二人の会話はものの一分とはかからなかったであろう。われわれが、ハッと気がついたときには老侯爵は早くも以前の姿勢にかえっていた。