후리가나로 읽는 일본 고전
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はる
春
岡本 かの子
岡本 かの子의 春(はる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,864자 · 48화면
だが先方の何処かに非常に明るい処があるのを想わせる廊下だ。加奈子が、ふらふら歩いていると、前方から青ざめた女が来た。狂女(?)、加奈子は、ぎくりとして廊下の端へ身を寄せて少し足早に歩き出した。加奈子は、素知らぬ顔で行き過ぎようとして女をそっと視た。渋い古大島の袷に萎えた博多の伊達巻。髪は梳き上げて頭の頂天に形容のつき兼ねる恰好にまるめてある。後れ毛が垂れないうちに途中で蓬々と揉み切れてかたまり合っている。三十前後の品の好いその狂女は、おとなしく加奈子に頭を下げて行き過ぎた。
重く入り乱れた足音がした。加奈子はもうこの廊下から引き返そうと足を反対の方へ向けかけた。と、いきなり横の扉が開いて肥満した女が二人出て来た。一人は看護婦服の五十女。一人は患者、生気を抜いた野菜のように徒らにぶくぶく太った二十五六の年頃の女で、ぼけた芒の穂のような光のにぶい腫れぼったい眼で微かに加奈子を見た薄気味悪さ。その時、また羽目を距てた近くで、どんと物のぶっ倒れるような音がした。うお――と男患者の唸り声。やや離れた処で、ひい、ひいと女気違いの奇声を挙げるのが聞えて来た。
加奈子はうろたえた。