일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はる

春

岡本 かの子

岡本 かの子의 春(はる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,864자 · 48화면

아오조라 문고

加奈子は、京子を娘のように可愛がるお民に隠すほどの事でもなかろうと思って、あらましを話した。

近頃、京子は、狂人によくある異性憧憬症に罹って居るらしい。狂人にならない前の彼女は、現実の男女生活をむしろ厭って居た。彼女の結婚生活の破綻も多分はそれに起因したに違いない。その彼女は、頭脳に於て寧ろ昔から異性憧憬者であった。狂人になればそれが病的に極端になるものかも知れない。最近殊に彼女の脳裡に一人の男性の幻像が生じたものらしい。でも、それは、誰という見当もない。漠然とした一人の男性に過ぎないようだ。ただ、手紙五通の内、同じ姓は殆ど無くても、名は皆秀雄様としてある。そして彼女は自分の住所姓名だけは確実に書きながら、先の住所は簡単に巴里とか、赤坂とか、谷中とか、本郷と書いて置くだけだ。初めいくらか不平に見えた配達夫も、しまいには京子ののん気さをにやにや笑いながら、それでも役目で仕方なく、笑止千万な手紙を返附配達して来るのだった。五六本も出せば京子も大方諦めて、あとは止めるだろう、でなくとも、監督してそんな配達夫なやませは止めさせるつもりのところへ、お民から今日も京子がポストへ行ったと聞かされたのだ。