후리가나로 읽는 일본 고전
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やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 柳橋物語(やなぎばしものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,300자 · 202화면
「お帰んなさい、いま湯を取りますよ」
台所でこう答えるこえがし、すぐ障子をあけて、湯気の立つ手桶を持って女房が出て来た。二十八九になる小肥りの働き者らしいからだつきで、頬の赤いまるまるした顔に、思い遣りのふかそうな眼をもっている。小さな髷に結った髪もきっちり緊まっておくれ毛ひとつないし、衿に掛けた手拭もあざやかに白い、手始末のいいきびきびした性質が、それらのすべてにあらわれていた。
「しようがねえ、この寒さにまた出て並んでるんだ」勘さんは足を洗いながら云った。
「――欠け丼のひとつも持つならいいが、手ぶらで並んでてどうするつもりかさ、可哀そうに赤ん坊が泣きひいってたぜ」
「友さんのところへ乳を貰いにいっといでって出してやったんだよ、そこからいっちまったんだねきっと、あらまあ頭からこんなに濡れてるじゃないか、持ってった傘をどうしたろう」
「いいからあげてやんなよ、傘は友助んとこへでも忘れて来たんだろう、ああ人ごこちがついたら腹が減ってきた、早いとこそいつを温ためて貰うべえ」
「あいよ、さあおまえお掛けな、足を拭いてあげるから」
お常は残った湯で雑巾を絞り、おせんを上り框に掛けさせて、泥にまみれ、凍えて紫色に腫れた足を手ばしこく拭いてやった。