일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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えのきものがたり

榎物語

山本 周五郎

山本 周五郎의 榎物語(えのきものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,519자 · 67화면

아오조라 문고

これは代官に向ってじかに答えたともいわれるが、作り話のようだし、その伝説のたねだというべつな話もある。しかも誰ひとり疑う者がなかったのは、なかにはそんな機知があってもふしぎはない、と思わせるようなところがあったからである。

なかが十五になると、縁談がもちこまれた。そのとき初めて、ひとびとは姉のさわの存在に気がついた。気がついたのは両親でもきょうだいでもなく、足助という飯炊きの老僕であった。

「そんな間違った話はない」となかに縁談が始まったと聞いたとき、足助は云った、「――姉さまをさしおいて、妹の縁談を先にきめるなんということは順序が違う、庄屋さまともある人がそんなことをして、世間に済むわけがあるものではない」

その評はまず出入りの者に広まり、半左衛門夫妻の耳にもはいった。みんな姉娘のいたことに気づき、そうだったなと、改めて見直した。これはさわのために逆効果となった。いままではつとめてどこかの隅とか、人の背中に隠れるようにしていたため、人々は彼女については無関心に慣れていたが、さて前面に押し出されたさわを見ると、縹緻のよくない顔の、陰気な、僻んだような表情や、動作ののろさ、話しぶりのへたさ、気のきかなさなどがめだって、十六歳になった河見家の長女、という人柄とは思えないことがはっきりした。