후리가나로 읽는 일본 고전
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えのきものがたり
榎物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 榎物語(えのきものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,519자 · 67화면
二
けれどもただ一人だけ、足助と共にさわの味方をする者がいた。それは下男の国吉であった。
二
河見家には下男が五人いた。ほかにも番頭、手代、若い者など、庄屋と山方差配の事務や用達をする雇い人が十四五人いたが、下男も倉番、庭番、勝手番などと役割がきまってい、国吉はなんにでも使われる雑役であった。
国吉は男ぶりもぱっとせず、負けぬ気ばかり強くてめはしがきかず、人にしたしまないので、誰にも好かれないばかりか、山猿といってばかにされていた。陰でそう云われるだけでなく、しばしば面と向って「おい蒔田の山猿」などと呼ばれ、口惜しさのあまり幾たびか相手にとびかかった。だが、国吉は躯も小さいし力も強いほうではなく、逆に叩きつけられ、瘤や鼻血を出すのがおちなので、独りでくやし泣きに泣く、というふうになっていった。――内容は違うが、これはさわの立場とどこかに共通したものがあり、早くからお互いのあいだに、哀れなというおもいが、ひそかにかよっていたようであった。さわが十五になった年、三番倉の脇に蓆を敷いて、せっせと茶筅を作っていた。すると誤って指に棘を刺し、それがとれないので困っていると、国吉が通りかかった。