후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
――自分が当事者であり、しかも家老として在国していたのである。吟味が不充分であり罪科が過酷だとしたら、そのときどうして異議をとなえなかったのか。
甲斐の反問にはそういう意味が含まれていたし、外記にもそれはすぐにわかった。正直で一徹な老人は、言句に詰まったことを隠す法も知らず、懐紙を出して額の汗を拭いた。
茂庭主水は眼を伏せ、富塚と遠藤の二人は困惑し、津田玄蕃だけは微笑しながら「やりましたね」と云わんばかりに、甲斐のほうへしきりとめくばせをしていた。
「時刻がだいぶ過ぎたようですが」と甲斐はその場の気分を変えるように云った、「よろしければ長沼玄叔の件に移りましょうか」
富塚内蔵允が同意し、ついで、津由玄蕃が玄叔の罪条を述べた。
長沼玄叔は医者であるが、その父は故忠宗の代に罪があって城下を追放された。にもかかわらず親族である長沼善兵衛のはからいで、ひそかに城下へ戻り、善兵衛が江戸番になると、いっしょに出府してそのお小屋に同居しながら医学を修業した。そればかりではなく、旧科を秘して元旦の儀式に出たり、亀千代ぎみの御前にすすんで、盃を賜わったりした。これによって長沼玄叔は死罪、親族の石田将監、長沼善兵衛らは、家禄没収のうえ城下より十里外に追放という罪科が当てられている、というのであった。