후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
後年夫の浅ましい性生活を矯めようとしてひたすら神佛に祈願をこめつゝ悲歎と孤独の月日を送るべき運命にあった此の夫人も、結婚の当初は至って朗らかな少女であった。彼女の体内には性の眼醒めがぼんやり感ぜられていたにもせよ、彼女はまだそれを自覚していなかったし、夫も敢て自覚させようとは努めなかった。夫の頭を支配していたものは遠く牡鹿山の奥御殿に於ける情景であって、父の云い付けで餘儀なく娶った新妻に対しては、自分より七つ歳下の、一人の利発な、罪のない少女として傍観するより以上の気持になれなかったのである。まだしも彼は、その新妻が多く情事を解しない歳頃であるのを結句仕合わせとしたのであった。
が、輿入れしてから一二箇月過ぎた或る夏のゆうぐれのこと、松雪院が腰元たちと縁先で涼を納れていると、そこへ河内介がふらりと這入って来て、
「今日は何か面白いことをして遊ぼうかね」
と、例になくニコ/\しながら云った。
「お父様の御容態はいかゞでいらっしゃいますの」
と、松雪院が尋ねると、
「いや、此の二三日たいへんおよろしいようだから、もう心配は要らない。それより己は、いつもそなたを放りっぱなしにして置いて済まないと思っていたのだ。