후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
お里と自分とは、もう切り放すことのできない羇絆が結び付けられたことを観念すると同時に、彼は言い知れぬ悔みと悩みとにひしひしと責めつけられた。こういう場合に大抵の人が試みるように、彼もそれを酒の科にかずけて、自分の重荷を軽くしようと努めた。しかしそんな卑怯なことで、自分の胸が安まろうとはさすがに思われなかった。
「おれは意気地がないな」と、彼は枕をつかんで自分をあざけった。
自分のふるい友達のなかには三人五人の堅気の女をだまして振り捨てた者もあった。吉原の女郎を欺して住み替えさせて、その金で芸者と駈落ちをした者もあった。しかし、自分はゆく先きざきで恋をあさって歩くような人間ではなかった。あとにもさきにもたった一度お絹と恋に落ちて、その罠から抜け出すことができないで、今ももがいているではないか。それがまた別の新しい罠にかかって、更に首を絞められてどうするのか。彼はつくづく今夜のおのれを悔まずにはいられなかった。そうして、あまりに正直に生まれ過ぎたおのれを歯がゆく思わずにはいられなかった。宵に軍鶏屋を出たときの勇気と大胆とは、今の林之助の頭からは吹き消したように消え失せていた。