일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

しせい

消えた受賞作 直木賞編

富田 常雄

富田 常雄의 消えた受賞作 直木賞編(しせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,806자 · 36화면

아오조라 문고

「有難う、頼むわ」

藤三はそわそわと片隅に桶を積み始めた。

奥へ入ってから、彼は子供達や中風の夫と一塊になって寝ている内儀に声をかけられた。

「藤さん、時間外は眼立つよ、夜はね」

「私もそう思ったんですがね、お内儀さん、例の、大下組の刺青をした女なんですよ。逆うと後がいけませんからね」

と言いながら、藤三は動力室の方へ暗い板の間を渡って行き、舌なめずりをした。彼の瞼からは未だミチの刺青の図柄が離れず、酔いに似た陶酔感が彼の足元を危くした。

ミチの智慧は藤三の心理を見抜き、彼の金を引出す処まで働いて行った。朝の時も、夜業の時も彼女は休みなく竹の湯に通い、生々と振舞って彼女の刺青の肉体を藤三の眼の前にひけらかした。最初は五百円を無心し、それが千円になり、二千円になった。藤三は何にも言わずに、その金をミチに貸した。

「すまないわね、小父さん」

「なあに、お前さんの刺青の見料さ。気にかけなくったっていいよ」

藤三はそう答えた。彼の四十何年の生涯が累積した金と一緒にミチの刺青を楽しむ為にだけ崩されて行くのが当然に感じるのである。思春期に入った少年の恋に似た彼の感情はミチの刺青とその白い肌を見ることに依ってだけ左右された。