후리가나로 읽는 일본 고전
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しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
海野 十三의 深夜の市長(しんやのしちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 109,982자 · 220화면
驚いたことに、そのボロ車の走ることったら無かった。車は一大音響をあげて上下左右へ跳ねあがり、僕は座席に座っているのか、それとも空間に宙ぶらりんになっているのか、いずれとも判じかねた。遂に僕は胆を潰して叫んだ。
「もっと遅くともいいぞ。……霞ヶ関まで、一両でやってくれ」
「一両は要らねえ。四貫で沢山だ。しかしよく覚えて置いて下せえよ。円タクは古いほど、よく走るもんだてえことを……」
車のお蔭で、僕は奇跡的に役所の門に着くことができた。運転手に一両渡したが、かのオジサンは六十銭を僕に返して、浩然と反りかえった。
「あっし等の仲間には、慾張りや不正直な奴なんか一人もないのでさあ。だが年甲斐もなく素っ飛ばしたことについちゃ今夜、お目玉を頂戴するかもしれねえが……」
僕はその言葉をちょっと聞き咎めた。
「お目玉を貰うって、誰からかね」
「ははア、お前さんがたの知ったことじゃないよ」
「ふン、……」僕は云おうか云うまいかと逡巡しながらも遂に云った。「こっちから教えてやろうか。それは『深夜の市長』のことだろう」
「ええッ。……」
五十ぢかいその運転手は、見るも気の毒なくらい愕き慌てて把手を力一杯に廻すと、車体をグルッと廻して大通りの方へ逃げだした。