후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
まだ震災前で、カウボーイ物や、探偵の続き物が全盛だった頃だと思います。
それは、眼の前に、様々な形をした不恰好な岩が、目茶苦茶にころがっていて、ずーっと向うの方まで続いている、その又向うには小高い岩の丘があって、その上には積み上げたような城があった――こんな或る一場面でした、それを小屋の、便所臭い片隅で、ぼんやり見ている私は、思わず「おやっ」と小さく独りごとをいってしまいました。
(なんだか見たような景色だ――)
そう思って、考えてみたのですが、次の瞬間、私は脊筋にすーっと冷たい物の駛るのを感じました。
私はこれと全く同じ景色を夢の中で見たのです、二三日前、たしかに見たのです。私は恐しくなって又夢を見ているのではないか、と誰もがするように、そっと腿をつねっても見ましたが、これはたしかに夢ではありません。私は矢張り活動館の中にいるのです。
そんなことを考えているうちにも、カメラはどんどん岩を乗越えて進み、城が次第に大きく眼の前に拡がって来ました。すると、今まで暗かった城の窓に、ぱっと灯が入り、人影さえ写って来ました、――私は活動写真の中に、夢の続きを見ているのです。