후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
あの時は全く偶然であったし、それに、裕福そうな水木の姿にいかにも自分のみじめな生活を見透されそうな気がして差出された名刺を、ろくに見もせずにポケットに突込み
(是非遊びに来てくれたまえ――)
といった水木の声を、背中に聴いて、遁げるように別れてしまったのだが……。
でも、幸その名刺を失いもせず、くしゃくしゃになってはいたが、思わぬポケットの底から拾い出すことが出来た。
※としながら、皺を伸してみると、それには(水木舜一郎、東京市杉並区荻窪二ノ四〇〇)と新東京の番地が入って清朝活字で刷られた、小綺麗な名刺だった。
寺田は、もう一遍読みなおすと、すぐ決心をきめて蒼みどろの臭のする藤棚の下を離れ、六区を抜けて、電車通りに急いだ。
そして、幾度か電車を乗換えて、やっと萩窪へついたのはもう空が薄黝く褪せた頃だった。
駅から道順を訊きながら、どんどん奥の方へはいって、小川を渡り、一群の商店街を過ぎると、もう其処は、新しく市内になったとはいえ、ごく疎らにしか人家がなかった。
寺田洵吉は、フト郷里の荒果てた畑を偲い出しながらぐんぐん墜落する西日の中に、長い影を引ずって、幾度か道を間違えた末、やっと『水木舜一郎』