후리가나로 읽는 일본 고전
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かせいのまじゅつし
火星の魔術師
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 火星の魔術師(かせいのまじゅつし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 151,120자 · 302화면
の表札を発見した時は、冷々とした空気の中にも、体中がぽかぽかするのを感じた。
彼は水木の家の北側の屋根が、硝子張りになっているのをゆっくりと見廻すと、幾らかの躊躇と一緒に玄関の戸を押開け含んだ声で案内を乞うてみた。だが、誰もいないのか、家の中は深閑として、なんの返事もなかった。
寺田は、暫らく間をおいて、冷えて来た足を小さく動かしながら、もう一度、今度はいくらか力をこめて呼んでみた。そして、耳を澄ましてみると、何処か遠くの方で、
(誰だ――)
という返事がしたように思えた。洵吉は伸上るように
「僕だよ、寺田、寺田洵吉だ――」
「あ、寺田君か、よく来た。今一寸、手がはなせないから上っていてくれたまえ――」
そう返事をしたのは、矢張り遠い声であったが、確かに水木自身の声だった。
寺田は、穢ない足を気にしながら、不案内の他人の家をうろうろして声のしたらしい部屋のドアーを、ひょいと引いて、覗き込んだ。
(お――)
寺田は、その瞬間、思わずドキンとして、心臓がグンと激しく咽喉元に押上ったのを感じた。
無理もない。
正面の壁には、直径一尺もある大きな眼の玉が、勢一杯に見開らかれて、それが洞穴のような、ゾッとする冷めたい視線を、彼の全身にあびせかけているのだ。