후리가나로 읽는 일본 고전
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 猟奇の果(りょうきのはて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 134,971자 · 270화면
「さては、あいつが偽物であった」と、一飛びに表へ駈け出して見ると、一丁ばかり向うを走って行く人影。そこで、又しても追跡である。
曲り曲って、大通りに出ると、怪物の姿を見失ってしまった。丁度そこに客待ちをしていた自動車の運転手に尋ねると、運転手はいやにうつむいて、帽子のひさしの下から、その男なら、今向うへ走って行く自動車に乗ったというので、明智は当然その客待ち車に飛び乗って、追跡を命じる。型の如き自動車の追駈けだ。
十分も走ると、淋しい屋敷町にさしかかった。すると、どうしたことだ。明智の車がいきなり方向転換をして、もっと淋しい横丁へ辷り込んだ。
「オイ、何をするんだ。先の車は真直に走って行ったじゃないか」
明智が呶鳴ると、運転手がヒョイと振向いた。
「ア、貴様は」
「ハハハハハハ、一杯喰ったね。イヤ、動いては為にならぬぜ。ほら、これを見給え」
クッションの上から、ニュッとピストルの筒口だ。悲しいことに明智は何の武器も用意していなかった。
あとで分ったことだが、あの咄嗟の場合、賊は機敏にも、さっき乗り捨てた一味の者の自動車に、運転手に化けて乗込み、借り物の外套で身を包み、借り物の帽子をまぶかにして、じっと網にかかる明智を待構えていたのだ。