후리가나로 읽는 일본 고전
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 猟奇の果(りょうきのはて)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 134,971자 · 270화면
偽赤松紋太郎氏は、官邸に於ては、前総監夫人と寝室を共にし、登庁しては、部下の首脳者達の目を巧みにあざむき、偽物とは云い条、その手腕あなどり難きものがあった。
偽総監の机上には、決裁すべき重要書類の外に、市民からの非難攻撃の投書が山と積まれた。彼は毎日定刻に登庁して、書類に盲目判を捺すのと、この興味深き投書を読むのが仕事であった。当時総監室を訪れた庁内の人達は、彼がさも愉快そうに、ニタニタ笑いながら、総監罵倒の投書文に読み耽っているのを目撃して、この老政治家の太っ腹に驚嘆したものであるが、その実何も驚くことはなかったのだ。彼は警察当局者の無能を、真からおかしがって、投書家と一緒になって、笑っていたに過ぎないのだから。
彼が庁内の事情に馴れて来るに従って、日夜頭を悩ましたのは、部長だとか課長だとか、各署の署長などを、如何なる名目によって更迭すべきか、又如何に更迭せば、最も警察能力を低下せしめ得るかという、重大問題であった。偽総監の陰謀がどんな形を取って現われたか、又その結果、殆ど無警察同然となった帝都に、どの様な戦慄すべき禍が醸されるに至ったか。等々は、だが、のちのお話である。