후리가나로 읽는 일본 고전
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 秘境の日輪旗(ひきょうのにちりんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 84,829자 · 169화면
「では、僕もこのへんでご免を蒙りましょう」
客も立上って、きちんとお辞儀した。
「ああご苦労ご苦労」
と、将軍は、別にとめもしなかった。
「僕の顔を忘れたと見えるね、兄貴のところへ一二ど行ったことがあるんだがな、はっはっは」
出しなに、客が英夫の肩を叩いた。
「平林大尉じゃよ、兄さんの悪友だ」
「閣下、悪友はひどいですな、はっはっは」
「はっはっは」
英夫はやっと平林大尉を思い出した。――あの時は軍服だったので、いまの背広姿とは感じが違っているように思われたのだ。
二人っきりになると、将軍はしばらくだまったまま、また一本のたばこに火をつけて、机の上にひろげられた、一枚の地図に目を落し、それから、象のようによく光る眼で、じっと英夫の顔を見つめた。
それは、西南太平洋の、フィリッピン、仏印、泰、マレーから、東印度の島々をあらわした精巧な地図だった。
「ここにボルネオという島があるじゃろう……河井中尉と君に、この島へ行ってもらいたいのだが……」
英夫はびっくりした。こんな思いがけないことを将軍は、なんでもないことのように、そのへんに行ってたばこでも買って来てくれとでもいうように、しずかにいうのだった。