후리가나로 읽는 일본 고전
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 秘境の日輪旗(ひきょうのにちりんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 84,829자 · 169화면
北東から来る烈しい風が機体にあたって、紙袋を乱暴に叩いているような無気味な音をたてつづけ、機体はひきつけたようにぶるぶるふるえた。
白いエナメルを塗ったように、窓からは何も見えなかった。
顔を押しつけるようにして、根気よく窓の外をながめていた英夫は、思わず、
「あっ!」
と思った。
くらげのようにもやもやとした雨雲が、縞のように流れて、黒い巨大なかたまりが不意に眼にうつったからだった。
巨大なかたまりは、いくつもいくつも重なりあって、のたうちまわるように荒れ狂っている――何という大きな波だろう!
こんな大きな波を英夫はまだ見たことがない。大きな山をいくつもいくつも寄せ集め、独楽のようにぶっつけあわしたとでもいうような大波が、白いしぶきをあげて走っているのだった。
飛行機は海面とすれすれに飛んでいるらしかった。
「うまく便船が見付かればいいが、この分だとむずかしいぞ」
平林大尉も海面を見下しながらいった。
「でも、僕、香港にぐずぐずしていられません、出来るだけ早くシンガポールへ行きたいんです。兄さんが待ってますから」
「それはそうだよ、僕も便船のことは頼まれているから、何とか世話をしてあげたいが、何しろ、こんなお天気じゃなあ……」