후리가나로 읽는 일본 고전
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ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ
秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ(ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,876자 · 20화면
上高地へ下る
谷から吹き上げる風は冷く且強いにも拘らず、絶頂は不思議に風が当らない許りか、風呂場へ這入った時のように生温くさえ感じた。けれども四方を雲に埋められて、少しも眺望が得られなかったのは甚だ遺憾であった。帰りは槍の肩から路を右に取って、途中の小雪渓でスキーに御達者な殿下は滑降をお試みになる。これは兼てお楽みにしていさせられた御事とて、再三繰り返して行わせられた。
小屋は夕方になって到着した登山者と、殿下のお伴をした人達や人夫等で、全く足の蹈入れようもない程ぎっしりと詰っていた。殿下のお部屋はともかくも八畳敷程であるから、今夜は昨夜に較べて楽々と御寝遊ばされた。思の外寒いので夜中幾度か目がさめる。岩角に嘯く風の音は終夜聞えていた。
上高地へ下る
明る二十七日は天候さえ良好ならば、午前三時頃に小屋をお立ちになって、一日に槍穂高間を御縦走なさる御予定であったが、早暁より風も強く雲も低く垂れて、岩崩れや落石の危険あるこの山稜では、万安を期し難い天候であったから、御予定の変更をお願い申上げるのが至当であるように考えられた。それで午前七時まで待って、そのことを申上げると、殿下には多大の御期待をかけさせられた御道筋とて、非常に御心残りの御様子に拝したにも拘らせられず、「また来るから、其時にしましょう」