후리가나로 읽는 일본 고전
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ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ
秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ(ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,876자 · 20화면
午前九時四十分、予定より少し早く温泉を御出発になった殿下は、途中二回お小休みをなされたのみで、午後一時には小屋場に御着きになった。登るに従って歩々に展開する高山特有の景象は、時々お独言のように「アアいいなあ」と仰しゃるお言葉で、殿下のお気に叶ったことが拝察された。そして御自身のものは御自身お背負になって、少しも労苦をお厭いなき努力健闘の御意気に燃えた御勇姿を目のあたり拝した何人も、誠に恐多い言葉ではあるが殿下が実に立派な登山家でいらせられることに深い感銘を受けない者はなかったのである。濁ノ頭の附近で休んだ時であった、いざ出発となると誰か帽子を忘れた者がある、すると殿下は「成るたけ軽くしようとして帽子を忘れた」とおっしゃったので、ドッと笑声が起った。これは勿論御戯談に相違なかったのであるが、御機智のほどを私は意味深く拝聴した。
小屋へは御立寄なく、外に立って暫く御展望に時を費された。前面に高瀬の谷を隔てて屏風の如く聳立する立山後立山二大山脈の高峰喬岳は、昨夜の狂態を面目なく思っているかのように、雲の厚衾をすっぽりと被って巓は見えないが、研ぎ出したように白い無数の雪渓は紫紺の膚にキラリと光っている。