일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ

秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ

木暮 理太郎

木暮 理太郎의 秩父宮殿下に侍して槍ヶ岳へ(ちちぶのみやでんかにじしてやりがたけへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,876자 · 20화면

아오조라 문고

濛々とした霧が高瀬の谷から舞い上ると、雪渓の面は鏡のように曇ったりはれたりする。硫黄岳は間近く物凄い赭色の岩壁を峙て、其下を流れる湯俣の水は糸のように細い。峻嶮を以て聞えた槍ヶ岳の北鎌尾根は、蓬勃として湧き上る雲が離れないので、終に一度も姿を現さなかった。

小屋から二十間許北に離れて、綺麗な砂地に岩高蘭や苔桃などの生えている草原がある。殿下は其処へお荷物をおろされ、お手ずからコーヘルで湯を沸かされたり、缶詰をお開けになったりして、私どもにも下されながら御昼食をお済ましになると、間近い燕岳の頂上をお窮めなされる。此附近の山稜は幅も相応に広く、偃松の緑と雪のような花崗岩の細沙と相映じて、白砂青松の景を作り、公園でも散歩しているような長閑さがあると共に、立派な花崗の巨岩も峙ち、眼を上れば四周の大山岳は長揖して吾を迎うるが如く、かくて山を恋うる心は、初めて強く鍵盤を叩かれたピアノのように高鳴りするのを禁じ得ないのである。お花畑の美は即ち美であるが、この大自然の壮観と孰れが印象深いものであろうか。されど今日は遺憾ながらこの壮観も半以上を雲に閉ざされてしまっていた。