후리가나로 읽는 일본 고전
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
竹久 夢二의 童話集 春(はしがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 43,531자 · 97화면
「民衆食堂一食金十銭」と書いてある西洋館がありました。留吉は、そこへ這入っていって、隅っこのあいた椅子に腰かけて、帽子を卓子の上へおきました。
十銭の食事が終ると、留吉は帽子を椅子の下へかくして、何食わぬ顔をして、出てきました。「君の帽子だろう」あとから食堂を出てきた車屋さんが、すっぽりと留吉の頭へ、帽子ははめてしまいました。
留吉は、長い間こがれていた都を見物することも、何か仕事を見つけることも、また昔のお友達を思出すことも忘れてしまったように見えました。ただもう、どうして、この不幸な帽子と別れたものかと、その事ばかり考えて、知らない街を通から通へと歩きつづけるのでした。
日が暮れて街の人通が少くなった時分に、留吉は街はずれの汚い一軒の安宿を探しあてました。
「今度はうまくいったぞ」留吉は、宿の二階の窓から、裏の空き地へ帽子を投出しました。それで安心して、その夜はぐっすり眠ってしまいました。人の知らないうちに出立しようとおもて、眼をさますと、帽子は枕元にちゃんとおいてあります。
留吉は、また不幸な帽子を持って、宿を立ちました。留吉は、とある大川の堤の上を歩いていました。