후리가나로 읽는 일본 고전
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はしがき
童話集 春
竹久 夢二
竹久 夢二의 童話集 春(はしがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 43,531자 · 97화면
もう五月になったのだ。庭にはあなたと母様とただ二人、真白な花びらが雪のように乱れて散る。あなたはお祖父様が拵えて下すったブランコに乗った。
青葉の影はそよ風につれて揺れる。あなたの心はあなたの夢みるままに揺れた。
風は林檎の枝に歌い、花のたわわな枝は風に揺れ、風に撓った。
あなたの頭上はすべてこれ空飛ぶ鳥と、鳥の歌。あなたの周囲はすべてこれ、風に光る草の原であった。
あなたはブランコが揺れるままに、何時かしら、藍色のキモノに身を包んで藍色の大海原を帆走る一個の船夫であった。
風は帆綱に鳴り、白帆は十分風を孕んだ。船は閃く飛沫を飛ばして駛せた。鴎は鳴いて大空に輪を描いた。そうしてあなたは、海の風に髪をなぶらせつつ、何処までもと、ひた駛せに駛せた。
船は錨を下した。
動揺は止んだ。
あなたはもとの子供であった。
「母様」
と夢心地であなたは静かに言った。声はまだ眠そうだった。母様は聞きつけなかった。母様はやはり離れで笑いながら坐っておいでなされた。針の手は鈍って縫物が膝からすべり落ちそうであった。
あなたの母様は世界で一番優しい人、あなたはその母様の秘蔵っ子であったことを、今こそ知っては居るものの、あなたはその時まだそれを知らなかった。