후리가나로 읽는 일본 고전
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 細雪(ささめゆき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 226,715자 · 431화면
借家だということは聞いていたが、そんなに貧弱な構えではなく、ちょっと妾宅と云った風の、見越しの松に板塀の小ざっぱりした造りの二階家が三四軒並んでいるうちの一軒で、細君を亡くした中年の紳士が娘と二人で暮らすのにはこれでも広過ぎるくらいであろう。貞之助は暫く門前に彳んで、折柄の朝日に葉が一つ一つキラキラと光る松の葉越しに、硝子障子が半分ばかり開いている二階の欄干を見上げていたが、折角此処迄来たのにと思うと又気が変り、ふらふらと門内へ這入って行って玄関のベルを押してしまった。
取次に出た五十恰好のばあやが間もなく二階へ案内したが、階段の途中まで上りかけた時、
「やあ」
と下から声をかけられたので貞之助が振り返ると、上り口の所に橋寺が、寝間着の上にしゃれた八端の丹前を着て立っていた。
「―――失礼ですが只今参りますから少々お待ちを。………今朝は寝坊しちまいまして、………」
「何卒々々、………何卒御ゆっくり、………僕こそ突然伺いまして、………」
貞之助は、橋寺が気軽にピョコンとお辞儀をして階下の奥の間の方へ消えたのを見ると、先ずほっとした。実はこの間の手紙をどう受け取ってくれたかが案じられて、何よりも顔色を見ないうちは安心出来なかったのであるが、今の応対の様子では、少くとも不快を感じていないことだけは確からしかった。