후리가나로 읽는 일본 고전
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ささめゆき
細雪
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 細雪(ささめゆき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 226,715자 · 431화면
着附を手伝ってやっていると、
「只今お見えになりましたから」
と、常子が渡り廊下を渡って知らせに来た。通されたのは、母屋のずっと奥まったところにある、書院窓の附いた古風な十二畳の座敷であった。黒光りのする分厚い板の縁側の外には、此処だけの別な前栽があって、その向うに、楓の老樹の新緑を透かして持仏堂の甍が見え、石榴が花を着けている鉢前のあたりから那智黒石を敷き詰めた汀へかけて、夥しい木賊が生えているのを、こんな所にこんな庭や座敷があったのかと思って幸子は暫く眺めていたが、そうしているうちに、遠い記憶がよみがえって来て、もう二十年も前、始めてこの家を訪れた時に通されたのがこの部屋ではなかったかと、だんだん心づくようになった。何でも最初に来た時はまだあの離れが建っていなかったので、姉夫婦に幸子達五人が広い座敷に枕を並べて寝たのであったが、それがどうもこの部屋であったらしい。幸子は外のことは忘れてしまったが、妙なことに、鉢前の木賊を覚えていた。なぜと云って、その木賊はそこの縁先に非常に夥しく蕃殖し、青い細い茎が雨の脚のように一面にすくすくと群生しているのがちょっと奇異な見物なので、珍しいなあと思った当時の印象が、今も消えずにいたのであろう。