후리가나로 읽는 일본 고전
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
それは閑地である。市中繁華なる街路の間に夕顔昼顔露草車前草なぞいう雑草の花を見る閑地である。
閑地は元よりその時と場所とを限らず偶然に出来るもの故われわれは市内の如何なる処に如何なる閑地があるかは地面師ならぬ限り予めこれを知る事が出来ない。唯その場に通りかかって始めてこれを見るのみである。しかし閑地は強いて捜し歩かずとも市中到るところにある。今まで久しく草の生えていた閑地が地ならしされてやがて普請が始まるかと思えば、いつの間にかその隣の家が取払われて、或場合には火事で焼けたりして爰に別の閑地ができる。そして一雨降ればすぐに雑草が芽を吹きやがて花を咲かせ、忽ちにして蝶々蜻蛉やきりぎりすの飛んだり躍ねたりする野原になってしまうと、外囲はあってもないと同然、通り抜ける人たちの下駄の歯に小径は縦横に踏開かれ、昼は子供の遊場、夜は男女が密会の場所となる。夏の夜に処の若い者が素人相撲を催すのも閑地があるためである。
市中繁華な町の倉と倉との間、または荷船の込合う堀割近くにある閑地には、今も昔と変りなく折々紺屋の干場または元結の糸繰場なぞになっている処がある。