후리가나로 읽는 일본 고전
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とらのきば
虎の牙/透明怪人
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 虎の牙/透明怪人(とらのきば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N3. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N3 · 중급 · 신자체·신가나 · 193,761자 · 388화면
「エヘヘ……。」
あの、いやないやな笑い声だけが、くらやみの庭のどこからかただよってきました。やがて、その笑い声がとだえ、しばらくは、シーンとしずまりかえっていましたが、とつぜん、
「あすの、晩の、九時をわすれるな。」と言う、しわがれ声が、天からふってくるように聞こえました。透明怪人がはじめてものを言ったのです。なんという、うすきみの悪い声でしょう。まるで外国人が日本語をしゃべっているような、まのびのした、たどたどしいことば、みょうにしわがれた声、それをきくと、室内のふたりのおとなと、ひとりの少年は、魔法にでもかかったようにたちすくんだまま、身うごきもできなくなってしまいました。
「おじさん、早く、早く、窓をしめなくっちゃ。」
島田少年が黒川記者にささやきました。でないと、透明怪人は窓からはいってくるかもしれないからです。はいってきても、だれにもわからないからです。黒川記者も、なるほどと思ったのか、いそいで窓のガラス戸を、バタンとしめました。すると、またしても、
「エヘヘヘ……。」と言う、あの笑い声が、窓ガラスのそとからきこえ、それが、だんだん、遠ざかっていくように、かすかになり、やがて、もう、きこえなくなりました。