후리가나로 읽는 일본 고전
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とおのものがたり
遠野物語
柳田 国男
柳田 国男의 遠野物語(とおのものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 39,063자 · 79화면
九
一〇
ぼいてその女帰り来たれり。いかにして帰って来たかと問えば人々に逢いたかりし故帰りしなり。さらばまた行かんとて、再び跡を留めず行き失せたり。その日は風の烈しく吹く日なりき。されば遠野郷の人は、今でも風の騒がしき日には、きょうはサムトの婆が帰って来そうな日なりという。
九 菊池弥之助という老人は若きころ駄賃を業とせり。笛の名人にて夜通しに馬を追いて行く時などは、よく笛を吹きながら行きたり。ある薄月夜に、あまたの仲間の者とともに浜へ越ゆる境木峠を行くとて、また笛を取り出して吹きすさみつつ、大谷地というところの上を過ぎたり。大谷地は深き谷にて白樺の林しげく、その下は葦など生じ湿りたる沢なり。この時谷の底より何者か高き声にて面白いぞーと呼ばわる者あり。一同ことごとく色を失い遁げ走りたりといえり。
○ヤチはアイヌ語にて湿地の義なり、内地に多くある地名なり。またヤツともヤトともヤともいう。
一〇 この男ある奥山に入り、茸を採るとて小屋を掛け宿りてありしに、深夜に遠きところにてきゃーという女の叫び声聞え胸を轟かしたることあり。里へ帰りて見れば、その同じ夜、時も同じ刻限に、自分の妹なる女その息子のために殺されてありき。