후리가나로 읽는 일본 고전
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てつのきりつ
鉄の規律
平林 初之輔
平林 初之輔의 鉄の規律(てつのきりつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,016자 · 30화면
二人はほとんど同時に無言で腕時計を見た。
三十秒たった。
また扉の外にノックがきこえて、第三のマスクの男がはいってきた。この男は黒のアルパカ〔薄地の織物〕の上着に、縞セルのズボンをはいて、麦藁帽子をかぶっていた。やはり無言のまま彼は第三の椅子に腰をかけた。
数秒間、室内の空気は威圧するように重苦しかった。
とつぜん第一の男が起ち上がった。
「僕は三十号」彼は英語で言った。
「七十六号」第二の男がつづいて言った。
「二百二十四号」第三の男も同じように言った。
「さて、諸君、今日は中央執行委員から諸君に重大な命令が下ったんだ」と第一の男は棒のようにつったったまま、微かにふるえを帯びた声で言った。「諸君に課せられた任務は非常に困難で、最大限の危険を伴うものだ。しかも準備の期間はあと半日しかないのだが、無論、諸君は、喜んでこの任務を担当されることと信ずる」
「もちろん」と二人は異口同音に答えた。
「明朝午前十時東亜局長遠山彦太郎は霞ヶ関の東亜局を九十六号の自動車で出て、桜田門を通過して東京駅に向かうことになっている。その途中で」彼は声を落として囁くように言った。
「彼を暗殺することが諸君に課せられた任務なんだ――」