후리가나로 읽는 일본 고전
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どうせんかいじへん
銅銭会事変 短編
国枝 史郎
国枝 史郎의 銅銭会事変 短編(どうせんかいじへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 106,745자 · 216화면
「黙っているのも失礼にあたる。どれ追い付いて話しかけて見よう」
こう思って足を早めると、貧乏神も足を早め、見る見る駕籠を追い抜いてしまった。
「よしそれでは緩り行こう」――紋太郎はそこで足をゆるめた。
するとやはり貧乏神も、ゆっくりノロノロと歩くのであった。
こうして一行は馬入川も越し点燈頃に小田原へはいった。
越前屋という立派な旅籠屋。そこが一行の宿と決まる。
戸外では雪が降っている。
旅籠屋の夜は更けていた。人々はおおかたねむったと見えて鼾の声が聞こえるばかり、他には何んの音もない。
静かに紋太郎は立ち上がった。障子を開け廊下へ出、階段の方へ歩いて行く。
階段を下りると階下の廊下で、それを右の方へ少し行くと、目差す部屋の前へ、出られるのであった。
そろそろと廊下を伝いながらも紋太郎は気が咎めた。胸が恐ろしくわくわくする。しかし目差すその部屋がすぐ眼の前に見えた時にはぐっと勇気を揮い起こしたが、その部屋の前に彼より先に、一人の異形な人間が部屋の様子を窺いながらじっと佇んでいるのを見ると仰天せざるを得なかった。しかも異形のその人間は渋団扇を持った貧乏神である。