후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控(一)平次屠蘇機嫌(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 156,866자 · 318화면
小説の中の人物が、塚になり碑になって、実在の人よりも遥かに実在らしく生きていることは、その例非常に少なくない。
京都、大阪には、東京以上に、小説、浄瑠璃中の人物の遺跡が保存されているそうである。偉人傑士といえども、御時世が変わると、百代の後にまで遺す気で建てられた銅像も鋳潰されたりするのである。現に不思議な時代に遭遇して、我々はそれを嫌になるほど見聞したはずである。その中に、小説や詩や浄瑠璃に創造された架空の人物が、民俗の記憶の底深くしまいこまれ、塚となり碑となるのは、むしろ嬉しいことではあるまいか。
明治中頃に重野安繹という学者があった。その頃独自の史論を発表して、児島高徳の存在を否定し、武蔵坊弁慶を撲滅し、面白可笑しい逸話を持った、史上の大物を片っ端から否定して、抹殺博士という綽名で呼ばれたことは、老人方は記憶しておられるであろう。
歴史上の人物らしく思われている人でさえ、洗って見ると、架空の人物は少なくない。まして職業作家が、踊らせ、話させ、心中したり、切り合いまでさせる人間が、全部実在の人間であり得ようはずはないのである。もっとも昔の人はこれを一つの劫と観じ、謡曲の作者は、紫式部をさえ罪人扱いにしているが、今の人は、作中の人物をなつかしんで、碑を建て塚を築いている。