후리가나로 읽는 일본 고전
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 猿回し
野村 胡堂
野村 胡堂의 銭形平次捕物控 猿回し(ぜにがたへいじとりものひかえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 125,671자 · 252화면
三
妙な匂いとだけ言って、腋臭と言わないところに此女のたしなみの深さがあるわけでしょう。
「――」
お通はうなずきました。痛々しい沈黙です。
「で、この家に、腋臭のある女は?」
平次もさすがにせき込みました。事件はもう一度急転回して、最後の絞りに近づいたような気がしたのです。
「殺された娘のお照と、下女のお新だ、娘は、そればかり気にしていたが、お新はあまり気にもしない様子であった」
依右衛門は確と言い切るのです。
「八、お新を」
平次が指図するまでもありません。八五郎は疾風の如く飛出しましたが、間もなく気の抜けたような顔をして戻って来ました。
「お新は此処へ来ませんか」
「いや」
「逃げたか、畜生」
八五郎は地団太踏みましたが、すべては後の祭りで、下女お新の影も形もありません。
三
石井依右衛門の娘、お照を殺した事件は、それっ切り行詰ってしまいました。
いや、行詰ったというよりは、目黒の浪次は、内儀の言葉に救われて縄目を解かれ、二人目の怪しい人間、――下女のお新は、自分へのし掛って来る疑いの重圧にたまり兼ねて、そのまま姿を隠してしまったのです。
「親分、お新はあれっ切り、何処へ行ったかわかりませんよ、あの話の始まる少し前まで、鼻唄なんか歌って、お勝手で働いていたそうですが」