후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
わし
鷲
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 鷲(わし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 144,476자 · 290화면
お妻は海にむかって再び手を合せた。
その翌日、お妻はめでたく井戸屋へ送り込まれた。井戸屋の若主人は果たして養子で、その名を平蔵といった。先代の主人夫婦は、二、三年前に引きつづいて世を去ったので、新嫁になんの気苦労もなかった。夫婦の仲も睦まじかった。
「これで何事もなければ、申分はないのですがねえ。」と、お峰は夫にささやいた。
由兵衛もひそかに無事を祈っていた。この年の二月に、年号は文久と改まったのである。去年の桜田事変以来、世の中はますますおだやかならぬ形勢を見せて来たが、近江屋一家には別条なく、井戸屋にもなんの障りもなく、ここに一年の月日を送って、その年の暮れにお妻は懐姙した。
本来ならば、めでたいと祝うのが当然でありながら、それを聞いて近江屋の夫婦は一種の不安に襲われた。不吉の予感が彼等のこころを暗くした。お峰は世間の母親のように、初孫の顔を見るのを楽しみに安閑とその日を送ってはいられなかった。かれは日ごろ信心する神社や仏寺に参詣して、娘の無事出産を祈るのは勿論、まだ見ぬ孫の息災延命をひたすらに願った。
明くれば文久二年、その九月はお妻の臨月にあたるので、お峰は神仏に日参をはじめた。