일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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きりん

麒麟

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 麒麟(きりん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,040자 · 18화면

아오조라 문고

しかし、聖人の心の響は、お前の肉体よりも更に強い力を私に与えた。」

この勇ましい決心を語るうちに、公は知らず識らず額を上げ肩を聳やかして、怒れる夫人の顔に面した。

「あなたは決して妾の言葉に逆うような、強い方ではありませぬ。あなたはほんとうに哀な人だ。世の中に自分の力を持って居ない人程、哀な人はありますまい。妾はあなたを直ちに孔子の掌から取り戻すことが出来ます。あなたの舌は、たった今立派な言を云った癖に、あなたの瞳は、もう恍惚と妾の顔に注がれて居るではありませんか。妾は総べての男の魂を奪う術を得て居ます。妾はやがて彼の孔丘と云う聖人をも、妾の捕虜にして見せましょう。」

と、夫人は誇りかに微笑みながら、公を流眄に見て、衣摺れの音荒く霊台を去った。

其の日まで平静を保って居た公の心には、既に二つの力が相鬩いで居た。

「此の衛の国に来る四方の君子は、何を措いても必ず妾に拝謁を願わぬ者はない。聖人は礼を重んずる者と聞いて居るのに、何故姿を見せないのであろう。」

斯く、宦者の雍渠が夫人の旨を伝えた時に、謙譲な聖人は、其れに逆うことが出来なかった。

孔子は一行の弟子と共に、南子の宮殿に伺候して北面稽首した。